Bb,C Tuba のショートインプレッション 2021 Dec
2021年11月1日~14日
Bb管C管にクローズアップしたチューバフェア。
今回のブログは、セントラルBEEスタッフ 野村によるフェア期間に登場した一部楽器の試奏ブログです。
正直なところ、昨今はプロの奏者の方のレビューや、実際に所有している方のブログなどを見ることが可能なので、一楽器店スタッフの試奏ブログって意味があるのか?と答えは出ていないのが本音です。
しかし、店頭スタッフとして多種多様なメーカの楽器に触れてきた私が自分自身で試奏して感じた事は、ささやかではあるけれども、これから楽器を選ぶ方にお力添えできるのではないかと考え執筆いたしました。
前置きが長くなってしまいましたが、インプレッション始めさせていただきます。
各種目次
フロントアクション シルバーC管 編
B&S 3198
Meinl Weston 5450 Thor
この二本が並ぶと圧巻ですね…アマチュアの方が手にしたなら孫の代まで使用してもおつりがくるでしょうし、プロを目指す方も一本あれば音大受験からしばらくはとりあえずは問題ない…かと私は思う二本です。
価格がお高めな点以外では、皆様におススメできる、C管の王道です。
B&S 3198
ブログ執筆者の私は、ピストンの銀の楽器はあまりご縁が無く、
やるとは言ったものの…比較や簡易レビュー出来るくらい吹けるのか?という不安な気持ちでした。
しかし!一番最初に吹いた3198、見事に不安を消し去ってくれました!
程よい抵抗感を持ちつつも吹きやすい。扱い易さはあるけれど、しっかり吹いた時もキャパがそこそこあって破綻しない。という大柄な管体ながらユーザーに寄り添ってくれる仕様です。
響きは、明るくてワイドな楽器です。
他メーカーのフロントピストンに慣れていらっしゃる方は所謂「軽い響き」と感じるかもしれませんが、ロータリー楽器からの移行、はじめてのC管デビューなどには大変おススメできる一本です。
Meinl Weston 5450 Thor
5450 Thor。C管使いの行き着く先はこのモデル…と言っても過言ではない憧れのモデル(そこはヒルスヨークとかニュルシュルだろ…ベアだろ…という声ももちろんあると思いますが。)
いざ5450を目の前にすると「やっぱ大きいな…果たして自分にこれを鳴らすことができるのか…?」
と感じます。構えようとして持ち上げた感覚でもズッシリとしてる…
率直に吹いた感想をまとめると
・奏者に楽をさせてくれる楽器ではないが、パワー不足の自覚のある私でも、おそらく所有して練習すれば吹けるようになる(楽器と一緒に奏者も育っていく必要がある)
・息のパワーのある人ならおそらく心配いらないレベル(音のツボを探してドンピシャなポイントを見つける必要がある)
と感じました。
「重厚」とか「荘厳」とかそういう系統の音色を持っています。
3198がワイドな響きだったのに対して、5450は楽器自体が音をまとめてくれる傾向な気がしました。
多くの方のイメージにある「ゴリゴリのチューバらしい音」を奏でることが出来る楽器です。
ロータリーイエローラッカー仕上げC管 編
Miraphone C291B-L Bruckner
B&S MRP-C
この二機種はイエローラッカーロータリーという事でカテゴリは一緒にしましたが、実際は結構違うなと感じました。
Miraphone C291B-L Bruckner
とにかくガンガン吹ける、ロータリーも軽い…チューバ始めたての方から機動性重視のプロの方まで万人におすすめできる楽器です。吹奏楽からオケ、アンサンブルからソロ、なんでもオーケーな優等生。
あえて重箱の隅をつつくようなことをいうのならば、
「暗め」とか「重厚」といった音色を出すのはかなり難しい楽器かと思います。チューバにそれは必須。とお考えの方には合わないかもしれません。
ダークな音色の大型C管を既にお持ちの方がブルックナー追加で購入するとおそらく無敵の布陣になるかと思います。
それを実現するには、無敵の予算も必要なのがなんともですが…
B&S MRP-C
イエローラッカー、ロータリーってすぐ音がわれるんだよなぁ…というそこのあなた。
言いたいことは分かります。まあ、実際のところ、軽快さと引き換えにそうなるのはやむを得な…
ちょっと待ってください。
そうそう割れないイエローラッカーいました。
B&SのMRP-Cです。
この楽器は試奏してびっくり、吹いた感覚はイエローラッカーのレスポンスなんですが、ピストンの楽器みたいな響きの余韻があるんですね。今回試奏できたのはイエローラッカーだったのですが、シルバーもとっても気になる存在です。
アップライトBb管 編
ヤマハ YBB632S Neo
Besson BE794-2-0
ロータリーでも、フロントアクションでもない、Bbアップライトチューバの世界。
パイプオルガンの低音部のような響きをもつアップライトタイプの音色はロータリーやフロントアクションにはない独特の世界観です。
個人持ちアップライトタイプでは覇権を握りつつあったヤマハのNeoに「待った」をかけたニューモデル ベッソンのインターナショナル。現れた黒船の実力やいかに…!?
ヤマハYBB632S Neo
自分は縦バスにはあんまりご縁が無い人生だったので会社に入って初めて吹いたモデルです。
YBB632Sはヤマハらしく、メカはちゃんと動き、音程もよく、音もムラがない。という国産のすごさを感じさせる職人気質な楽器です。
実際、今までは、Bb管でアップライトで個人持ちならNeoですねー。みたいな紹介を何度もやっていました。失敗しない楽器選び…は相当難しいですが。このNeo、ハマったお客様ならかなりいい線いってると思います。
Besson BE794-2-0
ベッソンの縦バスニューモデル!?となった方。たくさんいらっしゃいますよね?
こちらのインターナショナルは「レスポンスよくていろんなところで使えそうなオールラウンダー縦バス」
という印象でした。
ヤマハのNeoと比べて、管体も軽め、全高も低めです。
以前の縦バスは「機動性は目をつむって、ここ一発の響きに命をかける。」みたいなとこあったと思うんですが、こちらの楽器は「連符?まあ普通に吹けるよ。」くらいにこなしていきます。
オケとかソロとかには率先してお勧めできませんが、それ以外ですといろんな局面で使える楽器かと思います。
ロータリーBb管 編
Meinl Weston 195-L Fafner
Miraphone B496-A-L Hagen
Meinl Weston 195-L Fafner
Bb管使いの行き着く先はこのモデル…と言っても過言ではない憧れのモデル ファフナー。
ここ一発でチューバの良い音聴かせたる…という気概のある方、もしくはそれを求められた方。
ファフナーを買って下さい。
音色の好みは人それぞれだとおもいますが、ファフナーの音色は、どの流派の人に感想を聞いても「いい音の楽器だ」と答えるのではないかと思います。
こちらのモデルに憧れる背景があって、そして手に出来たのであれば貴方を裏切る事はありません。心配な点と言えば、人間側の体力が落ちる事…くらいでしょうか。
Miraphone B496-A-L Hagen
荘厳な音色が欲しいと思へども
マイネルウェストンのファフナーはあまりにもしんどし
せめては新しきBb管を持ち
気ままなる練習にいでてみん
という方はこちら。楽器に苦労するのではなく音楽に集中したい。楽に大きいBb管を吹きたい。と言うあなたにはミラフォン社のフラッグシップ のこちらをお勧めいたします。
ミラフォン社の製品ですから、これを吹きにくいと思う人は少数かと思います。
ユーザーに寄り添う楽器作りは大型機種でも健在。
C管のブルックナーとは異なり、Bb管のもつ音の特色が重厚さ等を醸し出すので音が明るすぎるという事もありません。
以上になります。
他にも掘り下げたいモデルもあったのですが、まとめることが出来ずに断念しました、
一通り書いて、読み返してみたこちらの感想ですが、なるべくフラットに書こうとしても、スタッフの私の主観が相当入ってるなと感じました。
更に、読んでくださった皆様の中には「これってマウスピース変えたら感想逆転しない?」感じた方もいらっしゃるはずです。
チューバの特性、相性は、文章で伝える事は不可能です。
ここまで書いといて…ですが、自分も途中で気づきました。
お客様の
チューバで何をしたいのか?
どこを目指すのか?
どう楽しみたいのか?
をスタッフにお伝えいただき、楽器を試奏して頂ければと思います。
最終的には好み…ですね。楽器選びの一番難しくて一番楽しいところでもあります。
お客様の相棒探しをサポートさせて頂きます。
チューバを愛する皆様のご来店を心よりお待ちしております。
このブログを書いたスタッフ ↓ ↓ ↓
セントラルBEEスタッフ:野村 |
音大付属高校をチューバ専攻で卒業。 一浪の末、ファゴットに転科して別の音大を卒業。 「楽器でお客様の音楽と人生を豊かにしたい」をモットーに 日々接客しております。 セントラルBEEにてチューバ・ファゴットをメインに担当。 |