ビュッフェ・クランポン モパネ リミテッドエディション2021 トスカ入荷のご案内とレビュー
モパネ リミテッドエディション 2021 Bbクラリネット
ビュッフェ・クランポン社が、従来のグラナディラ材ではなく、モパネ材を使用した楽器を7月15日に発表しました。
材質は勿論の事、
・世界限定85本(日本入荷は17本)
・クラリネット界の重鎮4名の選定書付き
(ミシェル・アリニョン氏 二コラ・バルディルー氏 ポール・メイエ氏 マルティン・フレスト氏)
というプレミアムさで話題となったこちらの楽器。
本日、当店に一本入荷致しましたのでご案内させていただきます!
完売致しました!!
※お問い合わせはお電話にて承ります。
~モパネ材とは?~ |
アフリカ南部に生育するモパネ(Mopane)はマメ科の植物で、線路の枕木、農具、家具、柱など、頑丈さが求められる状況で使用される樹木です。中褐色から赤褐色の色合いで、グラナディラと同程度の密度(1,000~1,300kg/m3)を持ちます。 |
お待たせいたしました。それでは、楽器の紹介とレビューに移りたいと思います。
Tosca [Mopane Limited Edition 2021]
メイン楽器がクラリネットでないブログを執筆している私でもスペック表を見たり、実物を前にすると
「これはすごい楽器だ…」という事は分かります。
しかし、今ブログを読んでくださっている愛好家の皆様も、それは既にご存じと思いますので、今回は当店のクラリネットに造詣の深いスタッフ二名に試奏をお願いし感想を聞いてみました。
クラリネットの歴史の中でも長期にわたって採用されてきたグラナディラ材とは異なるモパネ材で作成された楽器ですが、実際の吹奏感、音色等はどのような物なのでしょうか?
早速、まずは一人目のスタッフレビューです。
グラナディラ製の「トスカ」はレスポンスがよく反応速度が抜群、オープンなサウンドを持つ楽器という印象でした。また、奏者の意のままに操れるコントロール性を持つ為、多くの方に人気のあるモデルです。
最初にこのモパネ製のトスカを試奏した際には、グラナディラ製のものとは明らかに異なる抵抗感・重厚さを感じました。このような表現を用いると「それは材質が変わって扱いづらくなったトスカなのでは…?」と考えられる方もいらっしゃるかと思います。
楽器の吹きやすさ、抵抗感といった要素の判断は人それぞれの感覚によるものですので、普遍的な答えはありませんが、
・従来の設計の完成度による優れた反応の良さ
・モパネ材を使用することによりもたらされた、程よい抵抗感、吹き込んだ時の安定感、温かみのある音色
の二つが合わさり、バランスの取れた仕上がりになっていると思います。
続いて、二人目のレビューです。
通常のグラナディラ製のトスカと吹き比べると上管の辺りを中心に吹き応えがある印象です。
管体自体がモパネ材ですので全体的な吹奏感、音の抜け具合に明確な違いがあるのは勿論ですが、上管部分に集中している印象があったのは、ピンクゴールドめっきの接合部、ポストなどの影響も少なからずあるかもしれません。
「吹き応え」という言葉は、読まれた方それぞれでイメージが変わる表現ですが、今回のモパネ製のトスカに関しては肯定的な意味合いを持ちます。
奏者がしっかり息を吹き込んでも、音を破綻させることはなく還元してくれるので、全体的な許容量はかなり高い楽器です。音の密度もしっかりしているので、ホールなどの環境で演奏しても音が散らずに飛んでいく、所謂、遠鳴りする楽器だと思います。
・現在お使いの楽器の音抜けが良すぎると感じられている方。
・吹き込んだ際に音が逃げてしまっているような実感のある方。
というような、自分の持っている力に対して楽器の反応が物足りないという方は、モパネ製の楽器と相性が良いと思います。
以上、当店スタッフによる試奏の感想でした。
以下ビュッフェ・クランポン・ジャパンさんのホームページより引用させていただいたスペックとなります。
調子: B♭ |
管体:モパネ材使用 / 接合部補強リング / バレル2本(65mm および 66mm) |
キー:ベームシステム、19キー、6リング / “トスカ”専用キーデザイン / 調整可能指かけ / LowFコレクションキー / 洋銀製、冷間鍛造、手工仕上げ、銀めっきキー / キーポスト、接合部リングはピンクゴールドめっき / 精密特殊加工スチール針ばねおよび板ばね |
付属品:“モパネ リミテッドエディション 2021”専用ケース / “モパネ リミテッドエディション 2021”専用ケースカバー /スワブ / クリーニングクロス / 鉛筆 / リガチャー / マウスピースキャップ / コルクグリス |
税込販売価格は¥1,397,000-となります。
*記事内の価格は投稿当時のものです。
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★引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染拡大リスク低減のため、