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クラリネットのお取り扱いについて

2018.10.26クラリネットリペア

クラリネットは非常に硬い木材で作られており、また消耗品も天然の素材を使用したものが多く使われているため、気温や湿度の変化に敏感です。
とてもデリケートな楽器ですので、お取り扱いには十分ご注意ください。

 

組み立てと分解

クラリネットはキィがたくさん付いているので、どこを持てばいいかわからない!と悩まれる方も多いです。
順を追って、おすすめの持ち方をご紹介します!

下管をベルを組む

右手で下管を持ちます。
この時、キイになるべく負担をかけないよう、下の写真のような持ち方をしてください。

下管を正面から見ると、右下の方に元々閉じているキイがあります。
このキイに右手のひらを当てるようにして、そのまま薬指と中指を添えます。
これでキイに負担をかけずに、しっかりと力が入るはずです!
そのまま左手でベルを持ち、差し込みます。

上管と下管を組む

上管にはリングキイが三つ付いていますが、
正面から見て、一番下側にあるリングキイを押してみて下さい。
下管とつながる連結部分が上がると思います。

上管と下管を組むときは、この連結部分をしっかり上げた状態で差し込んでください!
ここが曲がってしまったり、貼ってあるコルクが剥がれたりすると、
上管と下管のバランスが崩れて、音が出にくくなってしまいます!


少し差し入れ、連結部分がまっすぐになるように位置をあわせてください。


位置をあわせたら、下管をおなかに当てて右手で上管を押し込みます。

上管とバレルを組む

バレルを上管に差し込みます。

この時、上管の上の方にあるトリルキイを握らないように注意しましょう!
握ってしまうとキイについているタンポが管体に擦れて、破れてしまいます。

破れてしまったタンポは交換しなければいけないので、もったいないですよ!

マウスピースをセッティングする

マウスピースをセットする時は、リードを傷つけないよう
リガチャーを入れてからリードをセットして下さい。

ふとした瞬間にリードをダメにしてしまうことがあるともったいないので、
演奏しない時にはキャップもお忘れなく!

 

練習中の注意事項

スワブをたくさん通しましょう!

管楽器の内側は結露ですぐに水分がたまってしまいます。

特にクラリネットは、管楽器のなかでも硬い木材で出来ているので、
水分をそのままにしておくと管体が割れてしまうことも!

管体以外の消耗品にも水分は大敵ですので、こまめに水分をとりましょう!

 

クリーニングスワブは5分に一回を目安に通してください。
通す際にはスワブをしっかりと伸ばし、紐に結び目が出来ていないかを確認してからゆっくり通してください。

特に上管の上の方は構造上スワブが引っかかりやすいので要注意です!

また水分を含んだスワブを、楽器と一緒にケースへしまうのはあまり好ましくありません。

タンポについた水分を取る

こまめにスワブを通していればある程度防げますが、上管のキイから水が出てくることがあります。

そのままにしているとタンポの劣化を早めるので、

水が溜まってしまったら、早めにクリーニングペーパーを使いましょう!

キイを開けて、クリーニングペーパーを差し込みます。
そのままキイをゆっくり閉じてください。
もう一度キイを開けてクリーニングペーパーを抜きます。

…これを何回か繰り返すことで、タンポの表面についた水分をある程度とることが出来ます。

この時、キイを閉じた状態でペーパーを引き抜かないように注意してください!
タンポが破れてしまう可能性があります。

楽器から離れる際は

練習中などに席を離れる時、楽器を組み立てたままイスなどの上に寝かせてあると危険です。
スカートなどが引っかかって床に落下したり、うっかり「座って」しまったり…などなど
色々なトラブルが考えられますのでご注意ください!

できればその都度ケースにしまいましょう。

 

片づけるときの注意点

水分をとことん取り除く

スワブでは取りきれない、上管のトーンホール(音孔)に溜まった水分を取り除く事も重要です。

① 上管だけを持ち、穴を全て塞ぎます。 (「ド」の音を出す指使いです!)
② 右手で上管の下側を塞ぎます。
③ 上から息をいれながら、ひとつずつキイを開けたりとじたりしてください!
開いたキイのところから息圧で水分が飛んでいきます!

クロスで拭くときのポイント

練習が終わって楽器をケースにしまう際は、
乾いたクロスで優しく拭いてからしまってあげてください
こうすることで楽器に付いた指紋や脂分・汚れをとることが出来ます。

この時、クロスタンポやフェルトを擦ってしまわないように注意してください!

タンポが破れてしまったり、フェルトがとれてしまう原因になります。
破れたタンポは交換が必要になりますので、もったいないですよ!

楽器をしまう前に

もう一度、きちんと水分がとりきれているかチェックしましょう!
特に、ジョイント部分の「受け側」などが見落とされがちです。

また、ジョイント部分にコルクグリスを使った場合には、必ず拭き取ってからケースにしまいましょう!
そのままにしているとコルクが剥がれる原因になります。
ティッシュなどでやさしく拭き取ってあげてください!

ケースにしまう時のチェックポイント!

楽器をケースに入れる際、一緒に入れない方がいいものがいくつかあります!

まず、サムレストクッション
指の負担を軽減するための便利なものですが、
本体に付けたままケースへ入れると、キイのバランスが崩れる原因になります!
本体から外して、ケースの小物入れの所などに入れて下さい!

そして、水分を含んだスワブ
そのまま一緒に入れておくと、ケース内に湿気がこもり
キイの腐食・ネジ類のサビを招いたり、楽器本体にカビが生えてしまうこともあります!
別に小物袋などを用意した方が良いでしょう。

最後に、新品のマウスピースです。
マウスピースを加工する際に使われる成分が、キイやキャップなどの銀メッキを変色させてしまうことがあります
購入されてから、しばらくは別で保管してあげた方が安心です。

 

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