音程の決め手!反射板とは…?
みなさんこんにちは!
セントラル楽器の岸本です。
今回はフルート・ピッコロに使われている「反射板」についてご紹介します。
外見からは見えないですが、頭部管の吹き口の奥に入っているパーツです。
管楽器の音の高さは「管の長さ」によって決まりますが、フルート・ピッコロの場合は「反射板から塞いでいるキイまで」が管の長さになります。
楽器全体の音程や音色に関わるとても重要なパーツです。
「反射板」と「クラウン」「ヘッドコルク」
反射板は、頭部管の先端に付いている「クラウン」とネジで繋がっています。
直接溶接してあるものではなく、「ヘッドコルク」と呼ばれるワインのコルク栓のようなパーツで頭部管内に留まっています。
このコルクは時間の経過とともに劣化してしまい、小さく縮んで効果を果たせなくなるので定期的に交換が必要です。
↑ 左:新しいコルク 右:劣化したコルク
クラウンがゆるんでいるのを直そうとしたり、お掃除中クリーニングロッドを入れすぎてしまったり、ふとした時に反射板の位置がずれてしまうことがあります。
位置をチェックしてみましょう
反射板の位置がずれると、管の長さが本来の設計から変わってしまう事になります。
それぞれのメーカーで設計した音階から僅かにずれてしまうので、全体的に音程が合わせづらくなってしまいます。
では、反射板の位置はどのようにチェックすれば良いのでしょうか?
楽器に付属されるクリーニングロッドの持ち手部分、よく見ると線が引いてあります。
この線が反射板の位置の目安です。
持ち手側から頭部管に入れ、吹き口の穴からまっすぐに中をのぞくと、先ほどの線が見えるはずです。
この線が穴の中心にきていれば問題ありません。
メーカーによって目安となる線の位置が異なります。
クリーニングロッドは正しいものを使用してください!
位置を自分で直すには?
反射板の位置が正しくないときは修正が必要ですが、位置の調整には技術を要します。
あまりご自身ではいじらず、リペアセンターへお持ち込みいただくことをおすすめします。
先述の通り、反射板・ヘッドコルクはクラウンと繋がっていますので、ここを使って修正が出来ます。
万が一ご自身で修正をしなければいけない場合は、下記を参考にしてください。
反射板をクラウン側へ寄せたい場合は、クラウンを時計回りに締めます。
逆に吹き口側へ寄せたい場合はクラウンを反時計回りにゆるめ、
出てきた部分を机に押し当てるなどして、吹き口側へ押し込みます。
フルートの頭部管はテーパーがかかっていて、胴部管に近くなるにつれて太くなります。
反射板を必要以上にクラウン側へ寄せると、頭部管の内側からぽっこりと反射板の跡が出てしまう事があり、また逆に胴部管側へ寄せすぎると抜け落ちてしまう事がありますので、ご自身で行うのはあくまでも微調整程度にしておきましょう。
あまりにも位置がずれていたり、直してもすぐにずれてしまう場合は、ヘッドコルクが縮んでいる可能性があります。お早めにリペアセンターへご相談くださいませ。
それでも音程が合わない、そんな時は
チューニングの際、頭部管はどのくらい抜くことが多いですか?
お使いのメーカーや奏法・その日のコンディション等により、抜く幅は異なりますが
ピッコロは約3㎜ほど、フルートは約5㎜ほど抜くのが一つの基準となっています。
ピッコロ・フルートは吹き口の角度や息の使い方でも音程が変動しますし、音程の悩みは尽きないですよね。
もし基準よりも大幅に抜かないと音程が合わない場合は、一度フルートの講師に見てもらうか、奏法を見直してみると解決するかもしれません。