楽器紹介:CONN”88HRT”
こんにちは。セントラル楽器の鈴木です。
今回もトロンボーンの紹介をします。新商品のご紹介ではございません(笑)
往年の名器、C.G.CONN “88HRT”です。
この楽器は「もう知っているよ~」と声が聞こえてきそうな程ですが、あえてご紹介。
CONN社の代表機種、88H〈あたたかな・柔らかな〉CONNサウンド。他にはいろいろ良き要素があるんですよ~。
『88HRT』このモデルの特徴は
①ベル:『Thin-Rose-Bell』
薄い、ローズブラスベルのこの機種。真っ赤なこのベルは銅の比率が高く、柔らかで深い音色が特徴です。
そして、ベルの厚みが薄いんです。往年のCONNのサウンドを彷彿とさせる音色が出るんです。
もしかしたら、お若い方だと「往年のCONNサウンドって何?」と、イメージが沸かないかと思いますが、筆者が感じるには『音の線は細く、暗く暖かなサウンド』って感じですね。
ゴールドブラススライドなんです。持ち手の所はニッケルシルバー。
形も特徴的で薬指や小指が当たる所にL字の補助支柱があるので使いやすいと感じました。
③ロータリー&抜差管
ロータリーはごく標準的なものです。実は一番好きなロータリーレバーかもしれません。
抜差管は主管リバース式なんです。抜差受けの薄さも特筆ものです。
④ボアサイズ
意外と知られていない(ふつうは気にもしない)部分なのですが、Fセクション(レバーを押して迂回する管)のボアサイズは14.27mm。実はスライドボアサイズ13.89mmより大きいです。
この事によってB♭/Fの切り替え時にどうしても出る抵抗感が、それを解消するように大きな管が搭載されているんですね。
【試奏したモデルの仕様】
C.G.CONN “88HRT”
・ボア内径:13.89mm (Fセクション14.27mm)
・シンローズブラスベル
・ベル直径:216mm(8-1/2)
・ゴールドブラススライド、ニッケルシルバークルーク
・太管
税込定価 ¥423,500- → ASK!
さっそく吹いてみました。(初めて撮ったのでご容赦ください…)
①うん、吹きやすい。安心のCONNの音色。
息を入れてからの立ち上がりが早いです。奏者の良く言う軽い楽器です。重量じゃないですよ。軽い吹き心地です。
多量の息を入れる昨今の人気の楽器より息は必要ないです。入れすぎると割れます(笑)
②スライドワークは軽め
設計も薄めなので好みが分かれると思いますが、使いやすいと思います。必要最低限の重さを感じます。
③B♭/Fの切り替え
ザ・定番って感じの抵抗感。コレコレって感じですね。
④ベルの響き
CONN派、BACH派と『きのこorたけのこ」のように派閥がある気がしますが、その代表格の響きですよね。
しっかり鳴らしたときのサウンドはパワーで鳴るって感じよりも空気を響かせるような、スピーカーのコーンを触るような感じのベルの響きがあると思います。
前回と同じく以上4点が感想になりました。
トロンボーン業界では知名度が高い楽器ゆえに、最近はあまり紹介されませんが、いいとこいっぱいある楽器だと思います。
ちなみにスライドを7ポジション(めいっぱい)まで伸ばすと「ソーシャルディスタンス」
前回のブログもぜひ見てみてください。
→「トロンボーン新商品 クルトワ「CREATION AC422 “Paris”」
それでは。
おまけ。