バスクラリネットのお取り扱いについて
木管楽器の中でも管が長く、ふくよかな音色が特徴のバスクラリネット。
楽器自体が大きいので、組み立て・分解の際はもちろん、演奏中や持ち運びの際もぶつからないように注意が必要です。
また、クラリネット同様とても硬い木材で作られているので、管体の「割れ」への対策も重要になってきます。
組み立てと分解
バスクラリネットは管が太いので、組み立て・分解の際に力が入れづらいと思います。
慣れるまではコルクグリスを使用し、無理せずゆっくり行うようにしてください。
上管とネック
ネックの根元を持ち、ゆっくり差し込みます。
ネックがゆがんでしまう可能性があるので、マウスピース側を握らないように気を付けましょう!
また、上管を持つ際にトリルキイを握らないよう注意が必要です。
トリルキイはとても長いキイなので、無理な力が加わるとキイが曲がってしまう事があります。
また、トリルキイについているタンポも傷んでしまいますので、強く握らないように気を付けてください。
下管とベル
ベルについているキイを押さえ、下管とつながる部分をあげた状態で差し込みます。
この時、キイを強く握るとタンポが破れてしまう可能性がありますので気を付けましょう!
上管と下管
上管と下管の連結部分には、上管のトリルキイや下管のレバーなど、長さのあるキイがたくさん飛び出ています。
キイ同士がぶつかったり余計な力が加わると簡単に曲がってしまうので、組み立ての際には注意が必要です。
上管は写真の箇所を持ち、下管と接続するキイが上がっているのを確認してから、ゆっくり差し込みます。
半分くらい入ったら、上管と下管が繋がる箇所をまっすぐになるように合わせ、椅子やおなかに下管の下側をあてて押し込みます。
マウスピースをセット
マウスピースをセットする時は、
リードを傷つけないよう、リガチャーを入れてからリードをセットして下さい。
ふとした瞬間にリードをダメにしてしまうことがあるともったいないので、
演奏しない時にはキャップもお忘れなく!
また、マウスピースをセットする時は必ずネックに手を添えてください。
無理に力が加わるとネックがゆがんでしまう事があります。
練習中の注意事項
練習中・持ち運ぶ際の注意
楽器を組んだまま持ち運ぶ際は、必ず下管を持つようにしてください。
上管と下管のジョイントがゆるいと、下管が抜け落ちてしまう事があります!
また、ストラップをかけていても、両手を同時に放すと大変危険です。
必ずどちらかの手で支えるようにしましょう。
割れを防ぐために
クラリネットの仲間は硬い木材でできていて、気温や湿度の変化にとても敏感です。
特に冬場、練習場所を移動する際には、急激な温度変化を避けるようにしてください。
例えば、暖かい音楽室から冷えきった廊下に移動する場合、クロスを一枚かぶせるなどして、楽器が直接外気に触れるのを防ぎましょう。
また、練習の最初はいきなりたくさん吹こうとせず、ゆっくりと息を入れて楽器をならしてあげましょう。
管内の水分をとる!
管楽器の内側は結露ですぐに水分がたまってしまいます。
そのままにしているとタンポの劣化を早めたり色々なトラブルの原因になるので、
練習中もこまめに水分をとりのぞきましょう。
…とはいえ、バスクラリネットは管体も大きく、なかなかこまめに分解をするのは難しいですよね。
そんな時に便利な物が、フルート用のロングロッドです!
ガーゼを巻き付けて使用します。
ネックを外してロッドを上から差し込むだけで、上管の水分をある程度取り除くことが出来ます!
分解してケースにもしまえるので、とっても便利です。
楽器から離れる際は
練習中などに席を離れる時、楽器を組み立てたままイスなどの上に寝かせてあると危険です。
スカートなどが引っかかって床に落下したり、うっかり「座って」しまったり…などなど
色々なトラブルが考えられますのでご注意ください!
できればその都度ケースにしまいましょう。
片付けるときの注意点
水分はとことん取り除きましょう!
クラリネット同様、硬い木材で出来ていますので、水分は大敵です。
ケースへしまう前に、改めて水分をきちんと取り除きましょう。
特に、ジョイント部分の「受け側」などが見落とされがちです。
ティッシュなどやわらかいものでふき取ってください。
スワブはバスクラリネット用のものを使用してください。
違うサイズのものを使うと、スワブが中で詰まってしまったり、逆に水分が取り切れない事があります。
楽器の構造上、トーンホールにも水が溜まりやすいです。
キイを開けてクリーニングペーパーを数回はさみ、水分を取り除きましょう。
この時、ペーパーをはさんだまま引き抜かないように注意してください。タンポが傷んでしまいます。
コルクグリスはきちんと拭き取りましょう
ジョイント部分に塗ってあるコルクグリスはきちんと拭き取ってからケースにしまいましょう。
ジョイントコルクは、管体に接着剤で止めてあります。
コルクグリスを長時間付けたままにしておくと接着剤に悪影響を及ぼし、ジョイントコルクが剥がれてしまう事があります。
毎回ティッシュなどで拭き取るようにしてください。
クロスで拭くときのポイント!
練習が終わって楽器をケースにしまう際は、
乾いたクロスで優しく拭いてからしまってあげてください。
こうすることで楽器に付いた指紋や脂分・汚れをとることが出来ます。
この時、クロスがタンポやフェルトを擦ってしまわないように注意してください!
タンポが破れてしまったり、フェルトがとれてしまう原因になります。
破れたタンポは交換が必要になりますので、もったいないですよ!